コピーライティングを学びたい人に、よくお伝えしていることがあります。
それは、「コピーだけでなくマーケティングも同時に学んでほしい」ということです。
ぼくのコピー講座でも、文章のテクニックだけを教えているわけではありません。その言葉が適切な力を持つように、マーケティングの考え方についても多くの時間を割いて説明しています。
「マーケティングとコピーライティングは不可分」、なんてことをよく言われます。
マーケティングの考え方があるからはじめて、コピーライティングは威力を発揮します。
コピーとマーケティングは、バランス良く学ぶのが大事
その理由を感覚的にわかってもらうために、ちょっとした例え話をします。
以下は、ぼくがセミナーで使っているスライドの1枚なのですが、マーケティングとコピーライティングの関係を説明するとき、ぼくはよくこう言う例えをします。
マーケティングは、ハンドルやアクセル、ブレーキ。
どこに行きたいのか、どう進みたいのか(=販売戦略)指示を出す。
コピーライティングはエンジンやタイヤ。
実際に推進力(=商品価値)を生み出し、それを地面(お客さん)に直接伝える。
どっちが欠けてもダメです。
両方がそろって、はじめて車が走れるようになるのです。
ちなみにぼくは、コピーより先にマーケティングを学び始めました。
ちょっとここで、ぼくがマーケティングを学び始めた頃の話を少しさせてください。
先にマーケティングだけ学んでしまったぼくの失敗談
ぼくがマーケティングに興味を持ち始めたのは、まだぼくがサラリーマンだった十数年前頃のことです。当時の仕事に生かそうと思っていました。
まずは何か参考になる本を探そうと本屋さんに行くと、マーケティングの本はたくさん置いてあります。たぶんコピーライティング本の10倍ぐらいはあるでしょう。
そのようなマーケティングの本を読むと、やれ販売戦略だとか顧客分析だとか商品価値を高めるためにはとか、さまざまなことが書いてあります。SWOT分析で強みや弱みを洗い出せとか。3C分析で顧客や競合について考えようとか、そういうやつですね。
読んでみると「なるほど!」と思いますし、たくさんの考え方やフレームワークがあって、けっこう面白いです。実際に自分でもワークをやってみたりします。
でも、「それで?」ってなっちゃうんですよ。
自分の商品の強みや理想の顧客像みたいなことは決められても、じゃあ実際それをどうお客さんに伝えたらいいのかという部分や、どうやってお客さんを集めたらいいかみたいな具体論は、マーケテイングの本ではほとんど触れられていません。
結局、多少の知識がついただけで、仕事に生かすことはできませんでした。
これは、最初の車の例えに戻れば、運転席でいくら車の操作だけをやったところで、エンジンがついていなければタイヤは回らない、というのと一緒です。
どんなにドライビングテクニックを学んだところで、車が動かなければただの机上の空論です。
仮に、コピーライティングだけを先に学んだらどうなるのか?
その「お客さんに伝える」を一手に担うのがコピーライティングです。
マーケティングで決めた戦略を、実際に現場レベルで行動に移すのがコピーライティングです。
ただ、だからといってコピーライティングだけを学んで実践しても、やはりダメです。
「売れるキャッチフレーズ集」や「コピーのテクニック集」みたいなものが最近はいろいろ出ていて、CMでも使われそうなそれっぽいフレーズがたくさん並んでいます。こうしたものを手軽に自分の広告に取り入れることも、できてしまいます。
でも、考えなしにそういう強い言葉を使ってしまうと、たとえ人の目を惹くことはできても、自分が本当にお客さんにしたい人(ペルソナ)にアプローチすることはとても困難になります。目的に合わせた言葉をコントロールできていないからです。
最初の例えで言えば、ハンドルもろくに動かさずにエンジンだけを回してしまうようなものです。どんなに力強くても、目的地に辿り着かないどころか、事故を起こしてしまう可能性すらありますよね。
それぐらい、言葉の力というのは強力です。
ということで、コピーとマーケはバランスよく学びましょう
以上を踏まえて最初の車の例えに戻るんですが……
マーケティングだけ学んでも、車は1mmも動きません。
コピーだけ学んでも、どこに進むか分からない車になってしまいます。
ということで、コピーライティングとマーケティングは不可分です。
ぜひ、バランス良く同時に学んでみてください。
P.S.
この本も、バランス良く学べますよ。
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