マーケティングリサーチが大失敗する理由

マーケティングをやるにあたって
リサーチ(調査)って、すっごく大事です。

 
中国の兵法書「孫子」には
こんな有名な言葉があります。
 

「彼を知り、己を知れば
 百戦して危うからず」
 

「彼」とは相手、
この場合はお客さんのことです。
「己」は、自分の商品のこと。

彼と己を知っていれば
100回戦っても勝てるっていう話です。

 

ぼくもマーケティングでは
「段取り8分」だと思っています。

お客さんが本当は何が欲しいのか、
そして自分の商品はどういうものなのか
しっかり調べてから
ものを売りましょうね、と
教科書的にはそんな話になるのですが……
 

ただ、表面的なニーズだけを
追っかけてもうまくいかないよ、
という話をします。

そんなに簡単に
「彼」は知れないのです。
 

マクドナルドが、今から十数年前に
「サラダマック」という健康志向の商品を
売り出していたの、覚えてますか?
これ、実は大失敗しました(笑)
 
 

マクドナルドはある時行った
お客様の声を聞く調査で、
「ヘルシーなサラダが食べたい」
「ヘルシーじゃないから
 マクドナルドには行きません」
という意見をいただいたのだそう。

そこで商品開発のメンバーは、
ヘルシーな新メニュー
「サラダマック」を発売しました。

しかし、このサラダマックは
当初の期待に反してほとんど売れず、
すぐに販売終了となってしまいました。

リサーチをしっかりしたはずなのに、
お客さんが欲しいと言ったはずのものが
まったく売れなかったのです……。
なぜでしょう?
 

そもそも、健康志向の
バーガーが食べたいというのは
「教科書的な回答」です。
 

みんな、建前と本音は違うのです。
言葉で出す分にはきれいなことを言います。
でも、こうした建前で出てきたものが、
いざ登場したら買うかと言われると、
買いません。

口では健康志向と言っていても
本心ではがっつりジャンクなものが
食べたいのです。
 

つまり、お客様の表面的な声を
真に受けてしまったことで
この時のマクドナルドは大失敗しました。

 

これ、ぼくも大なり小なり
こうしたことには
めちゃくちゃ遭遇してきました。

だいたい、上っ面のリサーチでは
教科書的な回答しか得られません。

お客さんの根本的なニーズや
ビリーフ(思い込み)まで
ちゃんと切り込んでいかないと、
本音は見えてこないのです。
 

そのためには、
常にお客さんの声に耳を傾けるだけでなく
お客さんに同化する必要があります。

ぼくがマーケティングで
案件に入る時には、
できる限りその商品・サービスを
お客さんとして体験するようにしています。
 

彼を知るためには
彼になるのが一番早いです。
そうしたら、本当はどう思っているのか
分かってきます。

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