お客さんをつい買いたい気持ちにさせてしまう、ずるい「質問」とは?

「ダブルバインド」という
心理効果、ご存知ですか?
 

もともとは心理学の用語で、
2つの矛盾した
メッセージを受け取ると
人には大きなストレスが
かかるというものです。

たとえば、会社で上司から
「今日中に事務所を全て掃除しろ」
と言われたとします。

一生懸命掃除をしていると、
さっきの上司が現れて
「今すぐ外回りに行ってこい」
と言われました。

この2つ、
同時に実行することは
もちろん不可能です。
どっちが優先だよ!ってなりますよね。
こういう時、人は大きなストレスを
抱えるんだそうです。
まぁ、あらためて言われなくても
じゅうぶんに想像がつく
シチュエーションですよね(笑)
 

元々は人間心理の研究から
はじまった
ダブルバインドですが、
やがて姿形を変えて
マーケティングの分野に
応用されるようになりました。

この方法を編み出した
ミルトン・エリクソンという人の
名前をとって、厳密には
「エリクソニアン・ダブルバインド」
と呼ばれて区別されているのですが、
 

ここでは結果だけ書くと、
マーケティングにおける
ダブルバインドとは、
 

「自分がどちらの選択肢を選んでも、
 相手が意図した選択・結果へと
 無意識的に誘導されてしまう
 心理的拘束の効果」

です。
 

ひえー。
怖いですよね。

 

ちょっと例を出します。
 

例えば腕時計を
買おうか迷っている人に
店員さんが、

「こちらの時計、
 買いますか? 買いませんか?」

と聞いてきたら、
お客さんは
「買う」「買わない」の
二択を迫られます。
 

しかし、

「時計をお探しなんですね。
 色は、ブラックがいいですか?
 それともシルバーがお好きですか?」

というふうに聞くことで、
買う・買わないの二択から
「ブラックを買う」
「シルバーを買う」
の二択に変わります。

「買わない」という
選択肢を取り除き、
買うことを前提にした
質問にすり替えてしまうのです。

 

ここでとても大事なのは
「相手の意思で、
 どちらかを選ばせる」
ということです。
 

人は、このように
どちらかを選んでくださいと言われると
最初はその気がなかったとしても
無条件に一方を選ぼうとしてしまいます。
みんな、本能は素直なのです(笑)
 

形はどうあれ、
他人から上のような質問をされれば
まだ買う気は無かったとしても
「どっちの色がいいかな」と
つい考えてしまい、
意思決定をしてしまうのです。
 

これが強力なトドメになります。
「どうせ買うなら
 シルバーの方がいいかなぁ……」
なんて口にしてしまったら最後、

自分の言葉が耳から入る作用で
「欲しい」という気づきが起こります。
コーチやカウンセラーの方は
「オートクライン」を
よくご存じでしょう。
まさしく、あれが起こります。

 

購入を迷っていた人には
こうしたことが決定打になります。
あとは売り込まなくても
売れていってしまうわけです。

強力な心理効果なので、
悪用は厳禁でお願いいたします🙇‍♂️

 

ところであなたは、
ぼくにごちそうするなら
お寿司がいいですか?
それとも焼肉の方がいいですか?

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