理由のある値引きは商品の○○感まで高めてしまう

理由もなくただ割引してしまうことは、商品の価値を下げます。
これは、やってはいけません。

 

「じゃあ、
 理由のある割引はいいのか?」
と聞かれるのですが、

はい、どんどんやりましょう(笑)。

 

この「理由のある割引」、
ぼく自身が経験してきた中でも
さまざまなパターンがあります。

話は7、8年前にさかのぼります。
まだぼくがマーケティングのマの字も
なかったころ……。

 

ある家電製品が欲しくて
ネットで最安値のものを漁っていました。
およそ10万円前後の商品で、
家電なので、どこで買っても中身は同じです。
 

あるネットショップで
「箱つぶれ特価品! 10,000円OFF」
というのを見つけました。

輸送中の事故で箱が潰れてしまったため
店頭には出すことができないが、
中の商品には問題ないので
割引販売します、というものでした。

他のショップでは10万くらいで
販売されているものだったので、
1万円OFFはかなりデカいです。
その場で即注文しました。
 

数日後、その商品が届きました。
そんなに値引きするぐらいだから
どのぐらい箱がぐしゃぐしゃなのか
興味があったのですが、
箱の一部が一箇所だけ、
かるく潰されているだけでした。
「あれ、全然大丈夫じゃん」と
ちょっと違和感がありました。

まぁ、でも安く買えたからいいや。
中の商品はもちろん問題ありません。

 

これ、今思えば
あきらかに在庫処分です。

多分このお店はキャッシュが
欲しかったんだと思います。
なので、割引をしてでも
在庫をキャッシュに変えたい。

で、箱をハンマーか何かで
軽く一箇所「ポコン!」と
やってみたと(笑)

 

同じ割引でも
よくある「決算特価!」とか
「お客様感謝セール」みたいな
中身のあまりない理由をつけては
商品の価値を下げてしまいます。

「しょせんはバーゲン品でしょ」
と、つい思ってしまいますよね。

 

でも、箱つぶれなら
商品の価値を落とさずに
値引きをすることができます。

「箱が潰れているB級品だから」
というはっきりした理由があるので
商品そのものの価値は下がらない。
 

アウトレットモールにも
好きでときどき行くのですが、
ああしたところに並ぶ商品も
割引の理由がはっきりしています。

 
「当社の厳密な製品基準に満たないから」
「1年前の型落ちモデルだから」

みたいな理由なので、
ブランドの価値を損なうことなく
値引きをすることができます。
 

しかもこれ、おまけの効果もあります。
誠実な割引の理由を伝えることで、

「えー、こんなにちゃんとしてるのに
 製品基準に満たないの?
 ここの商品管理、しっかりしてるな」

みたいなことをお客さんが感じてしまい、
逆にブランドの信頼感を高めてしまうのです。
割引でキャッシュを作った上に価値アップ。
ずるいですね(笑)。

 

ということで、
割引には正当な理由があれば
価値を下げないどころか
信頼感を高めることすらできます。
 

自分のビジネスで
使えそうな割引の理由がないかどうか、
ぜひ探してみてください。

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