マジメな情報発信者ほど○○に陥ってしまいやすい

先日、人づてに
こんな相談をいただきました。
 

・普段はシニアの終活に
 関することをお伝えしている

・最近、YouTubeを始めた

・こうしたことは若いうちから
 知った方がいいと思い、
 自分と同じ40代向けに
 終活の動画を作った

・動画の内容としては
 「今のうちに終活の準備を
 しておかないと、後から
 大変なことになるよ」というもの

・すると同世代の仲間からは
 「ネガティブな事は考えたくない」
 という意見ばかりもらった

・どういう風に発信したらいいか?

 

こんな感じの内容でした。
あなたはこの相談を見て
どう感じますか?

 

ぼくがその時に考えた回答は
概ねこのような感じでした。

 

まず、行動心理学的な
見地から言って、
将来起こるかもしれない
嫌なことについて見せられると
ほとんどの人は苦痛を感じます。
これは仕方ないことかと思います。
 

こういう将来の不安、
いっぱいありますよね。
 

たとえばお金で言えば
老後の資金に関する問題は
けっこう深刻です。
老後破産なんて言葉も出てきました。

病気の不安だってあります。
いつ大きな病気にかかるか分かりません。

上の質問のように、
親の介護や相続といった
終活全般に関する問題もあるでしょう。
 

こんなふうに、将来の不安は
ゴロゴロ転がっています。

 

こういう問題に立ち向かっている人は
「なんとかしたい」という
正義感に近い気持ちを持たれた、
マジメな方が多いです。
 

こうしたマジメな発信者ほど

「これは誰にでも振りかかる問題です、
 私の話をぜったい聞いてください!」

となってしまいがちなのですが、
これでは残念ながら、
どんなにいいことを言っていても
価値観の押し付けになってしまいます。
 

悪い未来をいきなり見せられるのは
みんな本能的にイヤだからです。

受け手側が、自分ごととして
問題意識を抱えてくれなければ、
しっかりは見てくれないのが
当たり前と思った方がいいでしょう。

 

そこで、情報発信に
工夫が必要になります。
 

これにはいろいろな
考え方がありますが、
たとえば……
 

「これをやらないと大変だ」といった
ネガティブ要素を含んだ伝え方ではなく、
「これをするとハッピーになれる」
という、相手に興味を持たれる
要素を入れていくことを考えるのが
いいかと思います。
 

先に理想の未来を見せてしまうわけです。
 

いちど理想の未来が見えて
「こうなりたい!」と思った後であれば、
その後多少しんどいことを提示しても
「理想の未来を手に入れるためには
必要なことなんだ」と、
自分ごととして、多少前向きに
捉えてくれるのではないでしょうか。

 

例えて言うと、病気予防がテーマなら
「病気するとこんなにひどい状態になる」
ということを伝え続けても、
いたずらに不安を煽るだけです。

まずは

「元気でいると
 こんないいことがあるよ」

とか、

「80過ぎても人生を楽しんでる
 人にインタビュー」

とか、

「こうなりたいと思う未来」
を伝えてから、
それを回避するために
病気予防について伝えた方が
柔らかく伝わる感じがしませんか?

 

将来や老後に起こりうる
不安を減らすことは、
とても大切なことですし
そうした活動をされている方は
とても尊敬します。
 

だからこそ、
多くの人に納得して伝わる方法を
工夫していかないと
いけないな、と思います。

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